カンフーパンダと吹き替え

 宅配レンタルで届いていた「カンフーパンダ」を息子とみました。息子と一緒なので吹き替えでみましたが、なかなか楽しかったです。

カンフー・パンダ スペシャル・エディション [DVD]

 日本語吹き替えも特に違和感はなかったのですが、ジャック・ブラックの濃さは残念ながら出し切れてなかったなぁと思います。かなり難しいと思いますけれど。

 こういうCGアニメは、オリジナルの声優が声優専門の人ではなく、俳優さんだったりしますが、そもそもの作り方が従来の二次元アニメと違うように思います。たとえば「トイ・ストーリー」のウッディもカンフーパンダのポーも、演技の向こうにアニメじゃなく生の人間の演技がすけて見えることがよくありますよね。最初から、声優さんのキャラ込みで演出してるのでしょうか。カンフーオタクのポーが、道場のお宝を見て興奮するシーンや食堂で巨体をもてあましながら給仕する姿などなど、ジャック・ブラックのねちっこさ、こ汚さ(褒めてます)みたいなものが出ていてナイスです。

 ぜいたくなことを言えば、吹き替えもハリウッド映画か海外ドラマ専門の声優さんがもっと出てくれたらよかったと思います。シーフー老師というレッサーパンダは、耳の悪いわたしには、津川雅彦の声に聞こえてしまったのですが(本当は笹野高史)、それがあまりにもはまりすぎで怖すぎ、浮いているように感じました(ある意味、成功だったのかもしれません)。カンフーする姿が一番かっこよかったサル(マスター・モンキー)の声は、オリジナルがジャッキー・チェン、吹き替えは石丸博也ということでした(台詞はあまり注意して聞いていなかんったのですが……)。

 ここ数年、吹き替えだけじゃなく、アニメでも声優が本職じゃない人の起用が目立ちますが、一般的な視聴者としてはどうしても違和感ありまくりです。古いところでは、トトロの糸井重里とか(何か難しい考えがあってのことかもしれませんが、一般人には理解できません)。息子につきあって何本か見たポケモン映画も、しょこたん美輪明宏以外は声優さんじゃないとやだったなぁ。シンプソンズの映画の吹き替えも大問題になって、DVDではちゃんと声優さんで吹き替えし直しされたそうですし。

 カンフー・パンダは、返却する前にオリジナル音声でもう一度みておきたいです。もちろんポーとマスター・モンキーに注目です。


 そうだ、カンフー・パンダの日本語訳の中で、「イケてさ」という言葉がありました。わたしは翻訳勉強中で、誤訳だの、どうのこうの言える立場じゃありませんが、それでも言わせてください。「イケてさ」だけはいただけませんでした。本編中では、たぶん、(オレの)イケてる度っていうような意味で使われていたと思います。映像翻訳ですから、いろいろ制限があると思うのですが、もうちょっと工夫してほしかったなぁ。たとえば、(使っていいのかわかりませんが)「めちゃイケ」みたいな言葉は参考にできると思うのですね。ここでは意味が違うと思いますが、形としては参考にできないですしょうか…。高校生とか若い芸人さんを師匠として訳してほしかったです(結局、無責任な発言でした)。